睡眠時無呼吸症候群の原因|肥満だけとは限らない6つの真実

男性睡眠

「肥満の人」や「年配男性」のイメージが強い、睡眠時無呼吸症候群。しかし、じっさいには、学齢期の子供や、20代の細身の女性など、幅広い層の人たちがその症状に悩まされています。

眠っているのにまったく疲れの取れない毎日。自分の能力をはっきできないまま、一生このハンデをせおって生きていくのかもしれないと、漠然とした不安を抱えているかもしれません。

たしかに睡眠時無呼吸症候群は、「完治がむずかしい」「一生付き合っていくものだ」と言われていますが、早めに気づき、早めに対処をしていけば、気持ちよく眠れていた日々を取り戻すことができます。

睡眠時無呼吸症候群にはおもに6つの原因があります。この記事で今すぐ「心当たりがないか」を確認して、早めの対処で一刻も早く心地いい眠りを取り戻していきましょう。

1:睡眠時無呼吸症候群は誰にでも起こりうる

どれだけ眠っても眠りたりない、睡眠時無呼吸症候群。多くの人は自覚症状がないために、長年の強烈な眠気や体のダルさを、「自分の根性が足りないからだ」「疲れているからだ」と思い込み、我慢し続けてしまいます。

それもそのはず。睡眠時無呼吸症候群は、肥満や年配の男性に多いと思われがちだからです。しかし、睡眠時無呼吸症候群は老若男女関係なく、誰にでも起こりうる症状です。小さい子供や、20代の若い女性などは、「まさか自分が…」と思ってしまう事が多いのです。

その結果、不調に苦しみながらも、その対処を先延ばしにしてしまい、睡眠時無呼吸症候群を悪化させてしまいます。

1−1:「大切なもの」を失う前に早めの対処を

落ち込むビジネスマン

睡眠はあなたの日頃の疲れを癒してくれるはずのかけがえのない時間です。眠っている間に心と体を修復することで、毎朝あたらしい自分に出会うことができるからです。

しかし、睡眠時無呼吸症候群にかかっている人は、窒息状態で夜を過ごします。体に負担がかかり続け、心も体もボロボロになります。本能的な欲求が満たされなければ、仕事に意欲がでるはずもありません。

毎日強烈な眠気と、ダルさでまったく仕事に集中できず、いつしか戦力外通告をうけることになるかもしれません。本当は大切にしたい家族にあたってしまい、落ち込む事もあるかもしれません。

症状が悪化していくと、睡眠中にプラスチック製のマスクを付けながら眠ったり、毎月の通院や機械代などで、時間とお金が奪われていきます。つまり、普通の人が当たり前にしている生活を送ることができなくなるのです。

完治が難しいと言われている睡眠時無呼吸症候群ですが、じつはできるだけ早い段階で対処をしていけば、気持ちよく眠れていた「あの頃」を取り戻す事ができます。

あなたが少しでも眠りに不調を感じているのなら、睡眠時無呼吸症候群を疑い、早めに対処をして行くことが何よりも先決です。

2:睡眠時無呼吸症候群になる人の共通点

Close-up of the mouth of the female

誰にでも起こりうる睡眠時無呼吸症候群。その原因は様々ですが、この症状を引き起こす人達には、ある大きな共通点があります。

2−1:50年前と現代の圧倒的な骨格のちがい

最近では街を見渡すと、長身・小顔のモデル体型の人をよく見かけます。

いまでこそ、珍しくはありませんが、50年前の高校生と、現代の高校生の体格をくらべると、その変化は一目瞭然です。身長だけでも、50年間で約6センチ以上も高くなっているのです。

骨格の変化に影響をしているのが、戦後から取り入れられるようになった西洋文化の発展です。とくに睡眠時無呼吸症候群は食生活の西洋化が大きく関係をしています。

2−2:アゴが発達していない現代人

現代は、ハンバーガーや麺類など、あまり噛まなくても飲み込める食べ物が増えました。アゴが発達しないまま大人になり、顔の大きさも四角・丸顔などが減り、逆三角・面長など、アゴが小さい顔立ちが多くなっているのです。

もちろん、生まれつきの小顔でアゴが小さい人もいますが、時代の影響からその割合が増えているのは確かです。

2−3:小さいアゴの影響で気道が狭くなっている

アゴが小さくなれば、その中に収まるはずの舌などの部位が、収まりきらなくなります。それらが気道側(のどの方)に押し出される事で、必然的に気道が狭くなります。

そこに合わせて、「肥満」や「扁桃腺の腫れ」などの影響で、気道をふさいでしまい、「無呼吸」や「低呼吸」状態に陥り、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。

とくに、眠っているときは舌をふくめた全身の筋肉が緩むのと、仰向けになる事で、舌がだらんと気道をふさぎやすくなるのです。

2−4:毎晩窒息している睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に10秒以上呼吸がない状態が、1時間に平均5回以上続きます。起きている時でもツラいこの状態を、毎晩、何時間も繰り返しているのです。

寝ている間に酸素を取り込めないと、朝起きたときにとてもダルさを感じます。体が回復していないので、起きている時でも酸素を取り込もうとして、日中は強烈な眠気に襲われます。

あなたも、眠っても眠っても疲れのとれない毎日に、大きな不安やいらだちを感じてはいないでしょうか。

※その他の具体的な症状については下記の記事でも確認できますので、参考にしてください。

「睡眠時無呼吸症候群の睡眠中の症状」※現在準備中です。しばらくお待ちください。

3:肥満だけじゃない!無呼吸になる6つの要因

睡眠時無呼吸症候群1

アゴの小さい人でも、睡眠時無呼吸症候群になる人と、ならない人がいますよね。その違いはどこにあるのでしょうか。

じつは、睡眠時無呼吸症候群は、アゴの小ささに加え、その他の6つの要因が引き金になっています。あなたにも思い当たる事がないか、一つひとつ確認をしてみてください。

3−1:子供に多い扁桃腺の腫れ

睡眠時無呼吸症候群の約2%は学齢期の子供だと言われています。子供は、「扁桃腺」の腫れが影響している場合があります。扁桃腺とは、ノドの奥にある、風邪のときに腫れたり赤くなるところです。

じつは扁桃腺は、幼児期に生理的に大きくなり、5歳頃になるとピークを迎え、10歳頃までにだんだんと小さくなっていきます。

扁桃腺が大きくなるのは、色々な病気にたいする免疫システムをたくさん書き加えるために、扁桃腺が活発に活動しているからです。

そのため、子供の扁桃腺は大人よりも大きく、それが気道をふさいでしまい、「無呼吸」や「低呼吸」を引き起こします。

手術で扁桃腺を小さくする事もできますが、大人になるにつれて改善される事が多いため、無理をしてメスを入れる必要はありません。

子供の頃の睡眠時無呼吸症候群は、体の成長に影響が出る場合がありますが、早めの対策で症状を緩和できるので、安心してください。

3−2:疲労によって首周りの筋肉が硬くなっている

疲れている人のいびきを聞いてみると、いつもの何倍も大きないびきをかいています。

人は強いストレス・緊張・疲労などを感じると、体がぎゅっとこわばった状態になります。首回りをふくめ、全身の筋肉が硬くなっていきます。

本来なら、寝返りを打つたびに筋肉は柔軟に対応をします。息苦しい寝相になれば、ころころと寝返りをうつことで、改善することができるのです。

しかし、疲労で筋肉がこり固まっていると、体は柔軟に動けずに、喉の気道をふさいだまま無呼吸に陥りやすくなります。

この場合の睡眠時無呼吸症候群は一時的なものですが、早めに疲労改善の工夫をしていく事が大切です。

3−3:のどの周辺についた脂肪が気道を狭くしている

脂肪は見た目だけでなく、口内のノド付近にもつきます。脂肪で気道が狭くなっている状態で眠ることで、睡眠時無呼吸症候群に陥りやすくなります。

見た目や体重では標準と思っていても、アゴが小さい人にとっては、ちょっとした脂肪でも気道をふさいでしまうのです。

この場合、脂肪を落とす事で改善できる人が多いです。 

3−4:閉経後の女性ホルモンの乱れによる影響

女性の場合、閉経をしてから睡眠時無呼吸症候群になる人もいます。

じつは女性の方が睡眠時無呼吸症候群が少ないのは、女性ホルモンの一つである「プロゲステロン」が、喉の気道を広げる働きをもっていたからなのです。

しかしプロゲステロンは閉経後に減少するため、もともとアゴが小さい人などは、閉経のタイミングで睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすくなります。

また、閉経後はホルモンバランスが崩れることで、脂肪がつきやすくなり、その脂肪が気道を狭めてしまうこともあります。

閉経後に睡眠時無呼吸症候群になった人は、ホルモンバランスを整えることで、改善しやすくなります。

3−5:アゴの関節が弱り、アゴが後退している

年を取る事で、アゴの関節が緩くなり、アゴが後退していくことがあります。アゴがうしろに引っ込む事で、舌が下アゴの中に収まりきらなくなり、気道をふさぎます。

この場合は、よく噛んで食事をすることでアゴの関節を鍛えたり、気道を確保するための枕を使う事で対処できます。

3−6:鼻づまりやアレルギー性鼻炎による口呼吸

アレルギー性鼻炎など、鼻づまりの症状があると、口呼吸になりやすくなります。

口呼吸になると、鼻呼吸のときよりも気道が狭くなるため、無呼吸や低呼吸の原因になります。

鼻炎を改善し、鼻呼吸にもどすことで、睡眠時無呼吸症候群も改善しやすくなります。

5:「要因」を改善できれば昔の睡眠に戻れる

睡眠時無呼吸症候群は、完治が難しいと言われています。大人になってからの骨格は、自分ではなかなか変えることができないからです。実際に、完治をしたという人は少なく、その研究は今でも続けられています。

しかし、今まで気持ちよく眠れていた時期があったとすれば、それはその状態にまでは改善できる余地があるという意味でもあります。睡眠時無呼吸症候群は早い段階で気付き、原因を緩和することができれば、気持ちよく眠れていた「あの頃」に戻ることができます。

向き合うと言っても、何から手を付けたらいいのか、分からずに立ち止まっている人も多いかもしれません。

だからこそ、先ほどご紹介した5つの要因のうち、あなたがどれに当てはまるのかをよく見極めることが大切なのです。

5−1:原因の明確化は専門機関で検査を

原因を自分で判断するのはなかなか難しいものです。間違えて把握したまま改善につとめていれば、あなたの努力がムダになってしまうことがあります。

最終ジャッジは、専門病院での検査をうけましょう。費用はかかりますが、信頼のできる病院ならば、的確な診断をえられるはずです。 早く原因を理解することができれば、的確な対処ができ、睡眠時無呼吸症候群を改善しやすくなります。

【専門機関の見つけ方】

「睡眠時無呼吸症候群 検査 (地域)」で検索すると、最寄りの睡眠障害をあつかっている病院を見つける事ができます。

【費用の相場】

簡易検査:¥3000前後
入院検査:¥20000前後

【検査の流れ】

  1. 問診をします。
  2. 睡眠時無呼吸症候群が疑われたら、小型機器を自宅に持ち帰り、ひと晩検査をします。
  3. 機械を病院へ持っていき、検査結果を聞きます。
  4. 睡眠時無呼吸症候群であれば、原因や度合いを判定する為に、1泊の入院検査をする場合があります。

【検査後の流れ】

検査がすべて終わると、症状の度合いや原因に見合った生活指導が入ります。

そこで大切なのが、改善策のすべてを鵜呑みにしないということです。それは、決してその指導が間違っているという意味ではありません。しかし、病院で指導されること以外にも、改善策はいくつもあります。 

病院で言われたままに従い、「なかなか改善できない…」「一生この症状と付き合っていくんだ…」と悩む必要はないのです。

病院でのアドバイスはあくまでも参考にして、あなた自身で納得して改善策を決める事が大切です。

6:睡眠時無呼吸症候群を改善する為の2ステップ

睡眠時無呼吸症候群の改善策には、2つの種類があります。

  1. 「今」ラクになれる対策
  2. 根本的な改善法

実践している内容について、どちらに当てはまるのか判断ができていないと、期待通りの結果がでずに悩む事になります。

大切なのは、どちらが正しいというわけではなく、それぞれをうまく使い分けていく事です。

ステップ1:まずは「今」ラクになれる対策を

まずは、いま現在の睡眠の負担を解消していくことが大切です。

夜中になんども窒息していれば、心も体も疲れきってしまいます。このままでは仕事にも日常生活にも支障がではじめます。

根本的な改善には時間がかかるので、その間の対策として、「これを使うと朝少しだけ楽になる」と思えるものを見つけておくのです。その方法はおもに5つあります。

  1. 半円型の枕をつかう→気道を確保しやすくなります
  2. 寝具を硬くする→寝返りを打ちやすくなり、寝返りをうつことで、気道の塞がりを改善します
  3. 横向きで眠る→舌が気道に落ち込むのを防ぐ事ができます
  4. お酒を控える→アルコールのよって舌の筋肉が緩むのを防ぐ事ができます
  5. CPAPを使う(病院での診断が必要です。)→空気圧によって気道を広げることができます

※それぞれの詳しい使い方やメリット・デメリットについては、下記の記事でご紹介していますので、参考にしてください。

「睡眠時無呼吸症候群の対策」※現在準備中です。しばらくおまちください。

これらの方法は根本的な改善には繋がりませんが、実践しているときに限り、睡眠時無呼吸症候群を緩和しやすくなります。まずはその場しのぎだけでも良いので、長いあいだ回復できていなかった体を、しっかりと休めてあげてください。

マウスピースは成功率が低い

睡眠時無呼吸症候群の代表的な対処法に、マウスピースの使用があります。睡眠中に歯にマウスピースをつけることで、気道を確保しやすい位置に歯を固定させるのです。

しかし、この方法は成功率が低く、場合によってはアゴの関節痛や頭痛をともなうことがあります。なぜなら、いつもの定位置から骨をずらした状態でひと晩中固定をすることで、頭部周辺の筋肉に負担がかかり続けるからです。

体をベッドに縛り付けて眠れば、疲労やストレスがたまるのは想像できますよね。それと同じで、歯を固定したまま眠れば、頭部のいたるところで痛みを伴うようになります。

「動かしたいのに動かせない」というストレスは想像以上に大きいものです。一度試してみると分かりやすいです。実践してみたい場合は、病院での検査の時に相談をしてください。

ステップ2:時間をかけながら根本的な改善をしていく

睡眠時無呼吸症候群をうまく対処しながら、根本的な改善に努めていく事も大切です。その方法は主に4つあります。

  1. こまめに動いて脂肪を落とす→気道の確保につながります
  2. よく噛んでアゴを発達させる→アゴの関節が丈夫になるのと、ノドの脂肪を落とす事ができます
  3. 初動負荷トレーニング→イチロー選手も実践している、筋肉を柔らかくする為のトレーニングです
  4. 手術→ノド付近の骨などを削り、気道を確保する

それぞれの詳細や、どれが向いているかの判断は、下記の記事でご説明していますので参考にしてください。

「睡眠時無呼吸症候群の治療」※現在準備中です。しばらくお待ちください。

上記の方法は、ステップ1とは違い、実践した瞬間、楽になるものではありません。しかし、根気よく続ける事で、体が少しずつ変わり、睡眠時無呼吸症候群の症状の軽減を望めます。

手術は最終手段

生まれつきの骨格の状態や、睡眠時無呼吸症候群の悪化状態によっては、手術が必要になる場合もあります。

しかし、体は一度メスを入れると、二度と生まれたての自然な状態には戻る事ができません。また、手術は想像以上に体に負担を与えますし、成功率も高くはありません。

まずは手術以外の方法を実践し、手術は最後の手段として検討しましょう。

まとめ:原因は早めに明確にしよう

睡眠時無呼吸症候群は、骨格の問題が関係をしているので、改善するのは難しいと言われています。しかし、あなた自身が気持ちよく眠れていた頃があるのなら、その頃の状態にまでは戻る可能性は十分にあります。

「まさか自分が…」「まだ大丈夫」と思っているうちに、一度でもいいので専門機関で検査をしておくと安心できます。

むやみやたらにいろいろな事に時間とお金を使う前に、まずは原因を明確にすることを第一に考えていきましょう。